イラスト鉄は本来柔らかくもろい性質を持っています。
にもかかわらず、 硬く、 強靱なものというイメージがつきまとっています。
それは、 鉄は叩いたり、 伸ばしたりすることで鍛えることができるから。 さらに、 鋼を熱処理すれば、 より強く、 より加工しやすくできます。 鉄はその性質を変えることが可能で、 私たちが思い描くのは、 処理され強くなった後の“鉄”というわけです。
ところで、 たたらという言葉を聞いたことがありますか。 元来は送風を目的とした足踏み式のふいご (=鞴) のことですが、 日本独自の鉄を作る場所と同義語になりました。 たたら製鉄には、 鉄の性質を利用して強度を変える作業を表す言葉があります。
例えば 「焼き入れ」。“焼きを入れる”というあの少々物騒な言葉の語源は、 こんなところにあったんですね。 この熱処理の方法は、 近代的な製鉄方法にもしっかり受け継がれているのです。

 

◆ 情報メモ ◆

― 焼き入れ ―

加熱した後急速に冷却して、鋼を硬く強くする。

― 焼き戻し ―

焼き入れした後、低めの温度で再加熱しゆっくり冷却して、鋼をしなやかに折れにくくする。

― 焼きなまし ―

鋼を加熱し、ゆっくり冷却して加工しやすくする。

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